子どもたちにクライミングを教えるぞ
秋晴れの中クライミング講習をしてきました。場所は日本のクライミングの聖地横須賀鷹取山です。参加者は3人の小学校一年生。みんなクライミング初めてなのです。さてどうなりますことやら。
トップロープクライミングに挑戦
今回はトップロープクライミングに挑戦です。トップロープというのは井戸のつるべのようなシステムで、足を滑らせたら即ブレーキをかけてくれる安心なシステムです。とはいっても初めて見る壁。傾斜は少しついてますが、子どもたちにとってはただの絶壁。絶望にしか見えないことでしょう。なんとか体を上に持ち上げることはできます。しかしふと足元を見ると高さからくる恐怖感で体が硬直します。
高いところは怖い
ここで高さは8mほど。人間が一番恐怖を感じると言われる高さです。ロープでつながっていても怖いものはコワい。この高さへの恐怖というのは実はとても必要なものだと思います。マンションから子供が転落なんていうニュースをみるととても心が痛みます。今日遊んでくれた子どもたちは高さに対する恐怖感を持ってくれたので絶対そんな事故に合うことはないでしょう。またなんとか登れたとしてもそこを下るのは100倍難しいことも体感できたはずです。
私もクライミングをするのは怖いです。だからこそロープのチェックは何度もするし、支点のバックアップは二重三重の安全策を講じます。
クライミングの楽しみ
クライミングの楽しさはなんでしょうか?自分の能力の限界を知ってそこを突破することにあると思います。朝一のファーストトライでは誰一人上まで到達できませんでした。怖さもあるでしょう。一日で何度トライしたことでしょう。最後にはみんな頂上のカラビナにタッチすることができました。不可能が可能になる。そんな瞬間を味わうために登るのだろうなと思います。
あとはとてつもなく集中して登りきったあとの爽快感でしょうか?思わず一人ガッツポーズをしてしまうくらいの嬉しさです。「よっしゃー」と叫びたくなりますね。クライミングしてるときの集中力はほんとにすごいものがあります。大人たちは「ほらそこは右手伸ばして!」とか「足を腰の高さまで上げて!」とか好き勝手なことを言います。Tそんなときに「だまってて!今考えてるんだから!」って一喝してしまう一幕も。
身体全体を使う
子供にとってクライミングはとてもいいスポーツだと思います。身体をひきつけたり、身体が岩から離されないようにバランスを取ったりととにかく自分の身体と向き合うスポーツです。
一方サッカーや野球はどうしても周囲と競うことがどうしても求められてしまうスポーツだと思います。周りよりも早く走れること、勢いよくボールを蹴ることができること。早いボールを投げることができること。
クライミングに足の速さは関係ありません。バランス感覚と手足の使い方がすべてです。目の前の壁に対して自分の身体をどのように使うのか?どのルートを取るべきなのか?競う相手は友達でもなく、ライバルでもなく、ただ自然と対峙するスポーツなのです。ぜひ子どもたちに一度クライミングを体験させてあげてみてくださいね。